主教教書(9) 「復活日を迎える時にあたり」


日本聖公会東京教区
各教会・礼拝堂・教役者・信徒の皆さま

復活日を迎える時にあたり


2020年4月10日
聖 金 曜 日

東京教区主教      
フランシスコ・ザビエル高橋宏幸

去る4月6日には東京都医師会から「医療的緊急事態宣言」が、また7日には政府から「緊急事態宣言」が出されました。しかしながら、依然として感染者の増加、感染経路の不明による深刻さは増しています。

福音書には、十字架を前に、あるいは十字架の上で散々悩み、苦しまれるイエス・キリストの姿が描かれています。それは私たちの苦しみや悲しみ、不安を担おうとされる「十字架のキリスト」の姿です。今、世界中には「なぜ?」という問いは数限りなくあります。けれども、その答えがなかなか見出せない中にも十字架のキリストが、ご復活のキリストが共に居られることを深く心に留めたいと思います。

イエス様の十字架もご復活も、そして教会というキリストの体、神の民も消え去りはしません。先の見えない不安な時、また信仰が問われている時であるからこそ、イエス様に連なる私たちはイエス様を模範とし、祈りの力への信頼を失わず、それぞれ離れた場に居つつも、祈りと信仰に結ばれ続けている、そのことへの確信を共に致しましょう。

4月3日付の「聖週を迎えるに時にあたり(教書7)」では、
「東京教区では、復活日(4月12日)正午には、お昼時の忙しい時間ですが、一旦手を止め、心と言葉を合わせて、主イエス・キリストが授けてくださった「主の祈り」をそれぞれが居られる場所で捧げていただきたいと思います。私自身も祈ります。皆さまもご一緒に祈りましょう。どうぞ、他の方々にも祈りに加わってくださるよう、お知らせとお勧めをお願い申し上げます」
とのメッセージをお伝え致しました。本日、重ねてのことになりますが、「主の祈り」を授けられたイエス様が共に祈って下さることを感謝し、よろしくお願い申し上げます。

感染症に罹った方がたの一日も早い回復と医療従事者のお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方々の魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰め、この危機の収束を切にお祈り致します。また、その他すべての人々、殊にご高齢の方がた、教会学校・日曜学校に来られない子どもたちの不安が和らげられ、一人一人の命が守られますように、そして、日ごろ教区、教会・礼拝堂での種々の奉仕に携わっておられる方がたのためにもお祈り申し上げます。